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桜姫華伝 全12巻 [漫画]

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時は平安時代。
14歳の桜姫は、身よりもなく、兄弟も流行り病で失い、生まれたときからいいなずけと定められている王良親王の援助の元不自由なく暮らしていたが、ある日強引なまでの結婚の勧めに都に連れ出されることになる。
自分の運命は自分で決める、たとえそれが世話になっていた人であろうと・・
そんな思いを日々抱いていた桜姫は、その求婚を拒み家でをしてしまう。
しかし、それが満月の夜だったことから、桜姫の運命は大きく動き出すことになる。
という内容で、役11年程前の作品!
怪盗ジャンヌでお馴染みの種村有菜作による、和風怪盗ジャンヌ
と、いう所でしょうか・・
ヒロインは元気で明るく、心の強い女の子。
一人でも必死に頑張ろうと、運命に立ち向かっていく・・
と、怪盗ジャンヌのマロンよりも、少しだけ素直で女の子らしくした雰囲気でしょうか・・♪
そして、生まれ変わりはジャンヌではなく・・
戦う相手も今回は妖怪となる化け物相手・・・
バトルシーンもジャンヌに比べてかなり本格的だし・・
少女漫画にありがちな動きのあるシーンでありながら、静止画像~という絵ずらになっていない・・。
少女漫画って、そういう所のチェックが手抜きなのか、作家さんの力量なのか・・・と、たまに思ってしまいますが・・(笑)
そう、少年漫画に負けず劣らずの躍動感あるアクション・・
かつ、華やかで綺麗!
デッサンも崩れず安定した作画だし・・
結構シビアな展開が濃い回が多いので、これ、少女漫画?
と、一瞬思わせる物語の流れ・・
でも、恋愛要素もちゃんと備わっていて・・
桜姫と新王は最初こそ衝突してばかりだったけれど、ある衝撃的な真実・・
運命の出来事により、そんな関係に変化が起こる。
彼の思わぬ裏切り、真実の思い・・
何も知らない普通の姫だったならば・・・
けれど、そんな彼だからこそ桜姫の心は揺れる。
まやかしではない思い。
どんなに辛く過酷であろうとも運命になんて流されはしないと立ち向かう心・・
体で考えるよりも先に彼のことを体張って助けて・・
そんな彼女を戸惑いつつも抱きしめずにはいられない新王。
彼も又、運命を背負い戦う身・・。
妖怪との戦いは決して楽ではない・・
けれど、それよりも、もっと桜姫を苦しめる存在・・
誰よりも愛し、多分きっと心の中で秘めている複雑で切ない思い。
憧れの恋と真実の恋・・
そして・・
華奢な体で、まっすぐに運命に立ち向かう少女を陰ながら思う男の存在や・・
桜を忌み嫌う帝の怪しげな動き・・
仲間達の命が次々に散らされていって・・
最後の砦を失ってしまった桜は心を壊してしまう。
何より大事だった、守るべきもの・・。
それでも、彼女は再び立ち上がる・・・
何があっても、その存在がいたからこそ、彼女は歩き続けられたのかもしれない・・
けれど、その最後の存在まで断ち切られてしまった彼女の絶望の思いと状況・・。
それは同時に、失う瞬間に得ることができた家族の絆・・。
失って、得て、傷ついて・・
そして目の前に現れた人物と、ずっと傍にいてくれた存在の真の姿・・
それは、桜の前世よりもはるか昔の真の主・・
桜の持つ血桜と、命の月泉水を生み出した美しき者・・。
そして、その者の役目・・
これが最後の戦い・・
本当に、命をかけた戦い・・。
自身の滅びの代償に・・
それは、命よりも大事なもの・・
人が生きる本当の意味・・
それは夢や願いだったり、色々あるだろうけれど、この作品に描かれたのは・・
自分よりも大切な人って、どれほどの存在でしょう・・
いまだに私には、手の届かない思いですが・・
人は、誰かと出会い、その人を愛して、幸せになるために生まれてくるのかな・・・
なんて、凄く偽善者みたいなことをいっていますが・・・
でも、誰だって、わざわざ不幸になりたくて、この世に生まれ落ちたいなんて、きっと思っていないでしょうから・・。
そして、そんな人の思いには奇跡が生まれる・・・
勿論、彼女は人でありながら、ひとならざる物だったからこその軌跡だったかもしれないけれど・・。
世の中に悲しみを生み出さないため、最後の決断をした彼女だから・・
それぐらいの我儘はいいんじゃないかな・・
なんて・・。
命の死と誕生を、少女漫画ならではの作風にて語ってくれた作品・・・♪
怪盗ジャンヌ、満月を探して、紳士同盟・・
と、種村有菜先生の作品はお気に入り作品が少なくないですが・・
ジャンヌに次ぐ、お気に入り作品になったかもしれません♪
少女漫画絵が苦手でないのでしたら、男性の方に読んで頂いても悪くないのではないかな・・
なんて思った作品です♪
タグ:少女漫画
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