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源氏物語 愛と罪と~森猫まりり作に物申す(注意、源氏好きによる否定派意見)! [漫画]

NEC_0219.JPG ネット上では、評価の高いらしい、新しい源氏物語、愛と罪と・・のようですが・・ 正直にいってしまえば、純粋な源氏物語好き~の私としては、この作品を源氏物語という作品名に位置づけてはして欲しくない・・。 と、いう、一個人の意見として、失礼ながら名乗りをあげさせて頂ました。 別に、頭ごなしにどうこう~というつもりはありません。 あくまで、論理的に見ての意見であり・・ その上で、この作品を源氏物語だ~と、誤解して頂きたくないと思ったのです。 はい、私は源氏物語という作品が好きであると同時に、プチ日本歴史好き(上杉謙信、春日局、お市の方など・・)でもあるからこそ、いいたい所が満載で・・。 だからこそ、これはもはや、作品と登場人物名と、時代背景を雰囲気をなんとなく借りただけの雰囲気時代恋愛ストーリーです。 そう、多分、私もこの手の物語構成は嫌いじゃないし、むしろ好きな方なのです源氏物語という名がなければ、それなりに楽しく読めたかもしれません。 そう、なぜ、この作品が受け付けないのかというと・・・ 上記に書かれたとおり、名前は源氏物語ではあるけれど、源氏物語ならではの時代背景、キャラクターを完全に殺してしまっていること・・・。 所詮少女マンガなのだから・・と、いいますが・・ 現に、少女漫画でありながら、当時の世界観を壊さず、教科書代わり~とまでいわれていた、あさきゆめみし~という、源氏物語のコミカライズの代表作品が、実際にあるのです。 この作品は、子供にはわかりやすく源氏物語を教え、大人には大人同士の恋愛ドラマを楽しませてくれる・・。 そんな作品でした♪ もちろん、そちらの作品も、すべて原作を忠実にしたわけではなく、作者様なりに物語の流れがわかりやすいように設定を省いたりして、構成をととのえられています。 そう、昔の日本の雰囲気を、キャラの雰囲気を壊さず・・ もともと作者様が和の作品を好きでらっしゃっただけあって、知識の幅がとても広く深いです。 確かに読ませて頂いた上で、ああ、この時代では女性の生き方、男性のいき方はこうだったのだろう・・ と、少なくとも教わることができます。 その上で、まず知って頂きたいのが・・ 源氏物語というのは、昔の貴族の女性達が楽しんでいたものであり、子供向けの児童小説ではなかったということを、知って頂きたい。 そう、確かに、メインの登場人物たちは若い未成年です。 でも、年が若いからといって、今時の、私たちとは生む世界も、おかれた境遇、地位や責任等いったものがまったく違うのです。 好きな人が他にいるから、その人と結婚する~~なんて、家のために許されるはずもない時代。 勉強嫌いだからしたくない~なんて持っての他、容姿端麗、知性や教養がなければ婿の貰い手がなく、その家は没落していく・・そんな時代です。 現代人が生きるには、想像を超えた重く厳しい世界。 そして、他にもいいろいろ、昔と今では当たり前に環境が大きく違っているということ・・ そういったことを踏まえての突っ込みポイントをあげさせて頂きます。 1、 光る現時のスカート(着物の裾)めくり~は、多分、当時のご貴族様は、そのあたりの教育等いったものは行き届いているので、絶対にとはいえませんが、目上の女性にあの行動は微妙にありえないかと・・・(笑)下町の子供たちならしていた可能性もあるかもしれませんが。まあ、ここは悪魔で想像の範囲ですが・・2、猫を捜しに夜中、主上が女性の寝所に入り込むという設定もある意味不自然というか・・ この時代、夜、男が女性の寝所に入るのは夜這いか、夫婦の営みか・・・と、きまっておりますので・・。というかなんで夜中に猫を探しに忍び込んでくるんだ、昼間忙しいなら部下に探させるなりすべきでは?(笑) 3、 良い女は好きでもない男に押し倒される前にまず逃げる!それは貴族の姫君のたしなみ!ましてや男の顔をはたくなんてはしたない!姫としての品位が下がります(位の高い姫君ならばなお更)! 4、 和歌のシーンが一切ない。当時の男女の愛の語らいは断るにしろ受け入れるにしろ、歌が基本(貴族のたしなみ)のはず。 と、いう点です。 そう、何度もいいますが、源氏物語は子供が楽しむというよりは、貴族の大人たちの間で流行り、楽しんでいたもの。 今の世代の人間のような価値観は持ちえるのは非常に違和感があります! そして、更にいうなれば・・ 作者である紫式部は女性でありながら才女としての逸話がある女性であり、この物語は、そんな彼女が夫を亡くした悲しみに、現実から目を背けるために描かれた作品なのです。 そんな時に、こんなイチャラブなだけのお話~てのは、多分、きっとかけない・・ もっと登場キャラの心理も切なく深く心境を描いていたはず。 そのことを踏まえても、この物語の展開は突っ込み所が多く・・ キャラ設定も・・ 5、 藤壺の女御は優しく母性愛のある女性で男性の憧れ・・と称されている・・ 割にはこの作品の藤壺は、言動、思考回廊が幼すぎる。 というか、光源氏のことばかりで帝に対しての思いの向け方に、帝が哀れ。 亡くなった女性に劣等感わくような、心の狭い女性ではないかな・・と、個人的に思います。 どちらかといえば、彼女のこの言動は、源氏の気味の最愛の妻、紫式部に近いものであり、藤壺が帝に対して抱く感情ではないのでは・・・ と、思ってしまいます。 いや~だって、院は藤壺一筋でしたが、光源氏は最愛の妻と呼べる女性がいながらも、あっちこっちに女性関係作ってましたからね~どんなに器の大きい女でも、ヤキモチも焼くだろうし、不安にもなるだろう・・(まあ、紫の上と出会う前からのお付き合いの方が多かったですが、紫の上と出会ってからも、女性関係はたえなかった・・/笑)よって、藤壺が夫帝に不安を覚える必要はない。だって、理想的な帝として描かれている男性ですからね 6、女性の嫉妬のシーンが生ぬるい、当時は女の嫉妬はたえません。 後、源氏物語にかかせないのが、女の嫉妬、その描写があまりにも生ぬるい。 帝の寵愛を一身にうけるがゆえに、他の女性達の嫌がらせによる心労から病気がちになり、源氏を産んで他界する・・・という所への説得力に、かけてしまう。 そして、最大に許されない、大問題なのは・・ 7、 帝の年齢というかデッサンです! 8、 藤壺と親子程の年が離れているのに、どう見ても二十歳前後にしかみえない!というか、帝が全然年重ねていない! 桐壺と出会ったまま、時が止まりすぎだろ~~! 親子ほどの年の差離れてるなら、藤壺が14歳なら、帝は50やそこらのおっさんでなきゃおかしすぎる~~~!!! と、いう所でしょうか・・ なんといいますか・・ 読者受けを狙い、いろんな部分を作り変えてしまわれたのかもしれませんが、ここまで改変されるのならば、いっそ、源氏物語ではなく・・ 完全なるオリジナルキャラ、オリジナルストーリーにて作って頂きたかった・・。 同じ和テイストでも、ザ・チェンジや、なんて素敵にジャパネクスなど・・色々あるじゃないですか。 姫にあるまじき~な主人公もありますしね。 フラワーコミックという地点で不安もありましたが・・ ふしぎ遊戯、玄武のような作品も存在しますし・・ 絵も、そこそこに綺麗だし・・ と、思って手を出してみましたが・・ 残念でなりません。 源氏物語の名前につられて購入してしまいましたが・・・(汗) ということで・・ 源氏物語がすきだ~とか、日本の古き伝統を重んじる作品を重視されている方は絶対に手をだされませんように! そして・・ ただ恋愛漫画が読みたいから~という方にも一言。 この作品は、あくまで源氏物語とはこういう作品なんだ・・という思い込みはやめて、あくまで別作品だと思い、読んで頂くようにお願いします。 まあ、子供向けの漫画に大人が手を出すな~ て、ことなのかもしれませんが・・。 も少し冷静になりつつ購入するかどうか~を考えるべきかも? こういうの見ると、ネット上で配信されて人気作=未成年向けという、認識が宜しい~と、判断したくなってしまいますが・・。 でも、そうだとは限らないんですよね・・ 現に、50センチの一生もネット配信されているようですし・・・。 もう、最近の漫画は、連載がどこからスタートしているのかわかりません。 雑誌連載と同時にネット配信されつつコミック化しているのか、ネット配信で人気あるからコミックにしているのか・・ 少なくとも、ネット配信で大人気~~というのは、ハズレが少なくないような気がします(苦笑) 誰か、この状況を説明して下さいも、2巻でヒロインあっさりと旦那様に落とされちゃってますし・・。 わがやは祇園の拝みやさんも、今の祇園は、こんなに清楚な雰囲気の場所じゃないだろう・・。 という印象とともに、色々理由があったとしても、それで引篭りで学校休んじゃだめでしょ~~ 私だって、人生色々あったけど、引篭りだけは子供の頃に一度たりとてしたことないし・・ 夏目友人帳の夏目だって、見たくない物を見るの嫌がっていたけれど、引篭り~なんてことはしていなかったし~~ と、どうしてもリアル路線で見てしまうと・・(苦笑) 大人になった・・という理由も確かにあります。 大人になってまで・・と、実家にいけば言われるでしょうが・・(それいったら、旦那、義兄、姉、兄はどうなるんだ?て感じになりますが/笑) でも、確実に、視聴者の求めるものが今と昔では違っているのだと・・。 私は長期連載好きですが、今時の人は短期連載でないと飽きてしまう方も少なくないようですし・・ な~~んて、思ったのでした。 多分、きっと、雰囲気がよければいい~て感じなのかな~~ なんて、この本を読んで思ったのでした。 同じ源氏物語でも、あさきゆめみしでは泣けても、この漫画では全然泣けなかったですから~。 本当、雰囲気作品も、それはそれで良いけれど、源氏物語という名前を出すのはNGだったかな~ て、印象です。 まずは、この作品を5つ☆評価してみると、こんな感じです。 最後に、5つ星評価にすると 源氏物語としての評価 ☆☆☆☆ 絵 ☆    キャラ ☆    源氏物語 ☆    泣き系 ☆    時代物 ☆    満足度 源氏物語とは別作品としての評価 ☆☆☆☆ 絵 ☆☆☆  キャラ ☆    泣き ☆☆☆  時代物 ☆☆☆  満足度 こんな感じでしょうか? そう、源氏物語でなければ、それなりに面白かったのでしょうが・・ てか、源氏物語という名前でなければ、新人作家によるFCを購入することなどなかったのでしょうけれどね・・。 と、心底思いました。 だんないわく、読者層が私のような大人向けのリアリティ作品ではなく、中、高校生向けの雰囲気恋愛物だったのだろう・・・ という結論にいたりました。 うん、今度からはあわてて購入するのは、本当にやめよう・・。 ためし読み~で、絵柄と冒頭の雰囲気とか、チェックするべきですね・・この手の作品は・・・ と、勉強させて頂ました。 懐に余裕があると、たま~にこういう買い物をしてしまうんですよね(苦笑)
タグ:少女漫画
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middrinn

対象作品のことは全く知らないのですが、大変興味深く拝読させて頂きました(^^)
ちょっと思ったのですが、『紫式部日記』にある、藤原道長が紫式部の部屋を夜中に
訪ねて来た場面、やはり「夜這い」が目的だったと解すべきなんでしょうか(@_@;)
by middrinn (2019-06-05 13:49) 

大和 沙織

少なくとも、紫式部日記での話しの流れとしては、私も夜這い?という風に解釈はしましたが。
ただ、二人が、実際そういう関係だった~という説は、明確ではないようです。
愛人説も一部にはあるようですが、悪魔で研究者の言い分ですし。
他にも、二人には特別な信頼関係がある~という話もありますし・・
なので、夜這い説も、実際はどうだったんだろう?
よく原稿催促にいった~という話もあるので・・。
と、こんなコメントで申し訳ないです!



by 大和 沙織 (2019-06-05 16:08) 

middrinn

早速のレス、ありがとうございましたm(__)m
参考になりましたし玉稿も勉強になりました(^^)
by middrinn (2019-06-05 17:23) 

大和 沙織

少しでも参考になって頂けたのなら良かったです♪
そして、このような拙い文面に、勿体無いお言葉まで頂いて・・・こちらこそありがとうございます♪
コメント、とっても嬉しかったです♪
by 大和 沙織 (2019-06-06 08:27) 

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