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私の幸せな結婚 1巻 [漫画]

私の幸せな結婚 1巻 顎木あくみ
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美しい・・
表紙の絵は非常に可愛い絵柄なのに、いざページを開けてみると、とても和を重んじる丁寧な絵柄と、内容共に非常に満足感のある作品です♪
物語の内容も、とても繊細で素敵です・
願うのはほんの小さな幸せ・
異能の家に生まれながら、その能力を受け継がれなかった斎森美世は出来損ないと罵り、疎外され、生きてきた
唯一の味方だった幼馴染も異母姉に奪われ・
邪魔者になった彼女は冷酷無慈悲と噂される久堂家に嫁ぐことになるが・
という、内容のものですが・・
本当に綺麗な作りなんです。
キャラクターは勿論ですが・・
作画の良しあしって、柄トーンに頼らず手書きで描かれているかどうか・
私が専門学院で習っていたときいわれたのは、最初のうちは柄トーンに頼らず手で書きこめるように、まずは自分の手で書き慣れること・・。
そう、背景の効果は勿論、少女漫画では必需アイテムの花・・
この作品は、そういう所だけでなく、着物の柄までちゃんと手書きだ~
ということに、思わず感動させて頂いたのですが・・♪
髪の通夜も今時のツヤベタとは違っていたり、神の柔らかい雰囲気が感が出ていて非常に好ましい(基本的な少女漫画のツヤベタって凄く平面的なんですよね)・
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本当に綺麗な絵って、やはりデッサンなんですよね・・♪
立体的な見せ方とか、体の仕組みや、物をちゃんと細かい所まで見れるかどうかとか・・
そして、更に好ましいのが、主人公の立ち居振る舞い・・
人って環境によって形成されていくものです
彼女は、よくいえば控えめで、悪くいえば内気・・
相手の心情を慮りで、自ら大胆な行動には出れない・・。
人の顔色ばかりうかがってしまう、そんな環境化の中で育ってしまった娘、美世。
令嬢でありながらも、使用人のような身なり、佇まいで・・
誰かを恨むことも・・
裏切られること、傷つけられることに慣れ親しみすぎて・・
いえ、傷つけられることに慣れるなんて言葉はなく、ただ、彼女は諦めることに慣れてしまった。
何も望まず、奢らず・・・
彼が守ったのは美世ではなく己自身・・
好いた男の裏切りという奴で・・
彼は優しいというよりは、気が小さい意気地なし・・
としか、私には見えなくて・・
そんな男を慕わざるおえなかった美世が哀れで・・
自分が生きていく場所が何処なのか・・
諦めながらも、目の前にいる自身の婚約者となった、見目麗しい男に捨てられぬよう、ただすがりつくだけ。
愛情なんて、そこにはないし、期待もしていない・・。
どんなに辛い思いをしようとも、ここでやっていくしかないのだと・・
けれど、そうではなかった・・
自分には何も出来ないからと、自ら炊事をし始める美世。
けれど、その行いは、出過ぎたことだったと、反省し、怯える程に後悔したけれど・・
誰もかれもが義母のように非道で冷たいわけじゃない。
旦那となった彼も、彼女に冷たくあしらったのは、何も彼女個人が疎ましいというのではなく、ただの誤解。
名家の当主である彼の周りによってくる女は、皆媚をうるか、必要以上に気位の高いだけの娘。
又は自身を引きずり落そうと画策している人物か・・
人を信じることを他諦めた名家の娘と、人を信じることに嫌気のさした名家の男・・
最初は、すぐに彼女を追いだすつもりだったが、彼女は今まで近くによってきた女達とは明らかに違う、特殊な存在・・
それゆえに、彼女という人物に興味を抱き始める。
痛んだ髪、古びた着物、荒れた肌・・・
口を開けば頭を畳にこすりつけるようにしては、謝罪の言葉を繰り返す。
彼の言動一つに怯えては震える様は、使用人そのものの扱いで・・
けれど、彼は彼女に冷たくあしらうともりもなければ、ただ単に冷酷な男ではなかった・・。
ただ、単純に、まわりにはびこってくる女が、頭の悪い人物達ばかりで嫌気がさしたから冷酷にならざるおえなかっただけ・・。
食が進まないという彼女の身を案じるし、言葉がきつかったと謝罪の言葉も述べる優しさもある男・・。
ようやく、美世は自分の微かな居場所を見つけるけれど・・・
本当に、どこまでも謙虚な娘・・・
というか、どうしても悪い法ばかりに思考がいってしまうのはいただけないけれど、仕方がないんですよね。
普段からさげすみの言葉しか浴びせられてこなかったんです。
自分で自分の価値を見つけるのって、そうそう簡単じゃないし・
だから、彼の一喜一憂に、美世の涙する姿は、痛々しくもいじらしくもあり・・
本当に、今まで誰かに褒めて貰えたことがなかったんだな・・
料理が上手いの一言で歓喜の涙流すとか・・・
そして、誉め言葉のつもりで述べたつもりが、なぜか泣き出す美世の態度が理解できず戸惑う旦那様の表情も可愛いくも・・♪
誉められたことが嬉しいという彼女の言葉を、そのままうのみにせず、他に理由があるのだろうと、考えられる旦那様が又良いです♪
本当は、きっと凄く優しい人なんですよね。
彼女の不安定な言動を責めるわけでもなく、自分に非があったのかと反省しては頭をかうしまつ・・(笑)
女性になれていない男性の典型的な態度・・になるのでしょうか・・・(笑)
目の前の彼女の言動が・・
背景が読めない・・・
どのような環境で、どのように育ってきたのか・・・
自分にこびるために謙虚にふるまっているのかと思っていたが、そうではない・・
ならばその理由は・・
こういう疑問こそが、恋に花をさかせる瞬間
相手のことが知りたいと思った瞬間が、始まり‥♪
恋愛うんぬんの前に、まずは相手に興味を持たなきゃ、深められる親睦も深められません
そんな彼の心情など知らない美世は、どこまでも謙虚で、彼に嫌われているんじゃないか・・
自分のような人間よりも、異能の能力を開花させた異母妹の方が彼にふさわしいんじゃないか・・
自分が無能な存在だと知られた瞬間すてられるのではないか・・
そんな諦めにもにた感情が、彼女の心を秘めていく・・。
受け入れられる資格がないとわかっていながら嫌われたくないという思い
嘘や隠し事はしたくないのに、何もいえずにいる自分・・・
人の心って、そんな矛盾で出来ているからこそ、繊細な感情というものがあるのかもしれません
好意を抱き始めた相手だからこそ、怖いものは怖いし、嫌われたくないものは嫌われたくないのです。
それが人として普通の感情・・。
きっと、彼女は自身が思っている程醜くはない。
少し手入れすれば化けちゃいます♪
髪をちゃんと手入れして、お化粧して、綺麗に身なりを整えれば・・
実際、化粧に、髪を下ろし嫁いできた際の置物に身を包んだ彼女を見て、彼は一瞬、彼女に目を奪われたのですから・・♪
研けば光る原石・・・・
という奴です。
そこに、令嬢としての立ち居振る舞いを学んでいけば、見目麗しい女性になっていくことでしょう。
優し気な旦那様の表情、立ち居振る舞いを見つめては、恥じらってみせる彼女の表情は非常に愛らしいものがあるのですから♪
他人のことばかり考えずに、他の組むべきときは楽しめ、そのためにここにつれてきたのだから・・
と、いってみせる旦那様へと、美世の心はどんどん惹かれていきます・・。
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そして、そんな彼女の気持ちを知るよしもなく・・
旦那は旦那の方で、彼女のことを思いつつも、無自覚ゆえに距離をおこうとする旦那様の不器用っぷりも又可愛い・・(笑)
やはり、特別な存在って、作ると照れ臭いのでしょうか・・・
慣れないが故に戸惑うものなのか・・・(笑)
無意識に、今年は無理でも来年に・・
と、いっているあたり、彼女と共にいたい・・てことを告白しているようなものだし・・
光源氏計画に、ほくそ笑んでみたり・・(笑)
最終的には、彼女の笑ってる顔がみたい・・
とまで言い出だすのですからね♪
今後も共に過ごすことになるのならば、思ったことを互いに言い合える方がいいし、素直な言葉を口にしてくれた方が嬉しい・・・
とまでいってくるのですから・・♪
そんな彼のふるまいに、美世の心が、はっきりと告げる・・
彼の傍にいたいと・・
限られた時間の中だけで良いから・・と・・・
なんとも謙虚に・・。
そして、そんな謙虚すぎる彼女の性格を全て把握してしまっている旦那様・・・
彼女の生い立ちだって、もうバレちゃってるから、そんな捨てられることに怯えなくてもいいのに・・
なんて思っている間に、旦那様の不器用ながらの誠実な愛情表現・・・
贈り物を大事そうに胸に抱き、有難うございますとほほ笑んで見せた美世ちゃんの、なんとも清らかで麗しい笑顔に、旦那様完全に見とれております(笑)
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けれど、彼女自身に問題はなんらないものの、問題なのはむしろ・・
彼女の母親の血筋で・・・
二人の距離感は、問題なく縮まっていくのだろうけれど、何かが動きだしている模様~
それは決して幸せになれるはずのない婚約だったはずなのに~~
と、時間予告が、非常に気になります!
待て、次巻!
いえ、本当に良い漫画を買わせて頂きました~
昔を重んじる作風って、本当に良いですね・・
読んでてホッとするというか、親近感をかんじられるといいますか・・♪
早く幸せにしてあげて下さい、旦那様♪
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