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魔女は二度喘ぐ 全6巻 [漫画]

北川みゆき、過去作品魔女は二度喘ぐ
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20年程前の作品でしょうか、北川みゆき先生の作品。ホステスで働く女性の職場、家族事情、そして恋愛模様を描いたヒロインが、なかなか魅力的に描かれた作品です♪
ヒロインは伝説のホステスといわれる母親と同じ職場につくけれど、母のようには上手くいかずドジばかりで・・
同僚からの七光りという言葉を聞きながらも、それでも、ある人を思うがゆえに必死に仕事を続けていたある夜、一人の少年と出会う・・・。
最初は自身がホステスであることをけなしてくるような彼の言い分に頭に納得が出来ず、つい強がりを見せて肌を肌を重ねようとしたけれど・・
結局は、彼女の弱みを彼の目の前にさらけ出してしまったようなもので・・
そんな彼女を面と向かって受け止めてくれたのも彼が初めてかもしれない・・・
そして、彼女を見る瞳が誰かにていて・・・
お互いにおかれた境遇もどこか他人事でないような・・
そんな、些細なきっかけから、彼女の心に淡い女心がわき始めていきます。
他に好きな人がいるから、これはただのきまぐれ・・
そう、思っていたけれど・・
憧れと恋愛の違いの境界線・・
少女が女になる瞬間・・
そして、女である前にホステスという立場である彼女の覚悟・・・
上手くいかない恋に四苦八苦しつつも、彼に支えられ、同時に突き放され・・
そんな繰り返しで彼女は少しづつ成長していきます。
最初はただの七光りだったろうけれど、そうじゃない・・
彼女に必要なのは、知識や経験ではなく、覚悟・・・。
人間、少し起動になり始めた所が一番大事で。そういう時にこそ、油断をすれば足元をすくわれてしまう
けれど、それは自身の気のゆるみが原因であって、誰の生でもない
小学生のお遊戯ではなく、立派な社会人ならば、自分の行動に責任もってなんぼなんです
舐められるのが嫌なら、舐められない努力をすること・・・。
ちょっとや、そっと陰口や嫌がらせでヘコたれていてはプロじゃない・・。
そういうことを彼女は回を追う度に知り、学んでいきます。
そして、ホステスに必要なのは何なのか・・・。
プライドも、覚悟も大事・・
だけど、お客様をいたわる心構えも又必要。
多分、客に気に入られる言葉だけを並べるだけじゃ駄目。
それは、七光りと言われていた彼女ならば猶更のこと・・。
彼女は彼女のやり方で・・
相手にこびることは出来ない分、誠意をみせること・・
自分よりもお客様を第一に考えられる・・
気がつけば、、七光りのドジっ子ホステスではなく、ホステスのプライドと自信を身に着けた、プロの顔となっていく。
そんな中、彼女の恋人である彼の生い立ちと立場も、色々複雑な物になっていき・・。
親の七光りなんていわれたくない・・。
その気持ちは、彼女だからこそ、誰よりも理解していたけれど、ひょんな出来事で自分のことで手一杯で、それに気づくことが出来なくて・・。
そして、知らされる、二人の両親にかかわる真実・・・。
それ故に二人が下した決断・・。
正直親の人生に子供が振り回される必要なんてないけれど、けれど、血縁関係だけは何があっても切ることが出来ない
だったら、子供に出来ることは親を超えること・・。
大人に与えられたレールを走るだけではない、自分の人生は自分で選べる覚悟を持っていきていくこと・・。
それは、一人の女性を愛する男としての思いの貫き方でもある。
一人は身をひくことを選び・・
一人は身を引くことなく彼女の傍においることを求めて・・・
その行動は、相手を傷つけることになる・・
その行動は他者の思いを踏みにじることになる・・
けれど、それぞれの行いの行き着く先には、同じ女性を愛し守りたいという思い。
その行為のどこに間違いがあるかどうかなんてのは、何も自分一人で決めて答えを出さなくてもいい。
悩んで躓いて、誰かに背中を時にはおされて・・・
それで、自分自身で選んだ答えならば、結果よりも、考えることがまず大事で・・。
彼女が立派なホステスに成長していけるのも、何も彼女一人の力だけではなかったですしね・・。
けれど、それも7やはり彼女の努力と人柄があってのこと・・
仕事に対するプライドもなければ、ホステスにとって何が一番大事なのかも見失い、あまつさえお客様までないがしろにしている・・
そんな人材ならば、彼女を支えてくれる人なんて、きっといなかったでしょう・・。
間違いを間違いと認め謝罪し、反省する心がなければ人は成長しないし、本当の意味の勝利なんてこない
そう、彼女はお客様を信頼するが故に裏切られてしまったけれど、彼女自身は最後の最後までお客様を裏切ることはなかった・・。
だから、最後の最後で報われたんです。
そう、そういう人だけが自身の望むべき場所にまで登りつめられる。
諦めたり、他人のせいにしたりしているから、いつまでたっても高見への道しるべが見えてこない・・。
挫折は何度したっていい・
そこから這い上がればいいだけですから・・・。
人間落ちる所まで落ちれば、怖いものはない、後は上を見て這い上がればいいだけなんです・・。
それよりも難しいのは、高見を目指し続けること・・。
高見までたどりついてしまえば、後はどん底に何時突き落とされるかもしれないという恐怖・・・。
そう・・
仕事もなんとか上手く持ち直して、恋人との関係も色々あったけれど互いの気持ちを確かめあえることができて・・
幸せな未来はこれから・・
という時に、最後の障害が出てくるんですよね。
世間という名の・・。
世の中、人情というものは存在しているし、人は温かみのある存在です・
でも、同時に、赤の他人には極端に冷たくもなれる生き物です
内情を何も知らないのに、風の噂で知った風な口ぶりで色々と、あることないこと平気いってくれますからね~
自分と関係のない、他人だからって、容赦のないこと・・・(汗)
悲しい通り越して、はらわた煮えくりかえりそうになった経験、亡き西もあらず~ですからね~(笑)
集団虐めにあっていきたため、気がつけば地味に負けず嫌いな性格になっていた私です。
人前では絶対泣かない・
だって、女が人前で泣くなんて、ずるいしみっともないですから・・。
で、だからといって男の涙が良いかどうかは、時と場所によるものですよ・・。
スポーツで負けた悔しさに涙する~とか、親や身内の死に涙する~は理解も共感も出来るけれど・・
それ以外の~仕事に失敗しようが、失恋しようが、そういう理由での涙は、正直カッコよくないかな~と・・
そうそう、そういうことで泣いてる暇があるなら、男ならビシッと覚悟決めな!
て、いいたくなるでしょうね・・(笑)
そして、女だって守られているばかりじゃない。
泣いているとき、笑うときも、苦しみも全部分かち合いたいと・・
覚悟決めるのは男だけじゃないのだということ・・
本当、女って生き物は、男が思うよりもずっと強かなんです・・。
だから、信じているなら守るばかりでなく女にも守らせろ・・て、奴ですか♪
うん、そういう、受け身でなく攻め態勢の女性陣は好きです♪
それでも、怖いものは怖い・・
けれど、自分一人では耐えられないけれど、傍に愛する人がいるなら、どこまでも強くなれる・・て、奴です♪
ただ・・
自分が傷つくのは平気だけれど、自分の生で他人が傷つくのだけは耐えられないという彼女の気持ちは、本当に痛い程理解できて・・
てか、私も、そういう部類の人間です。
だてに親、同級生、上司、先輩に踏みつけられてきたわけじゃない、そのあたりの心臓の強さは生半端なものじゃないですよ、多分・・
雑草パワーというものを、多少なりとも、もっている自信があるので(笑)
けれど他人は悪魔で他人であって、自分とは違う生き物だから、何をどう感じるかなんて本人にはわからない・・
というのも事実で、だからこそ不安に感じることもある。
そう、私の場合は他者を守りたい、という彼女の純粋な意味とは、又別の意味になるのでしょうけれど・・
まあ、でも、自分のせいで他の人が傷つくのは、どこまで責任とれるか~、そういう意味でも不安でもあり・・。
けれど、結局は家族愛で、決着つくんですよね、この物語は。
どんなに憎まれていても、子を思わない親はいない・
て、これはまさに、理想であり、あるべき家族の在り方・・
どんなに憎んでも、何があっても子供を愛せなくなった時点で、それはもう親ではない・
と、私的な極論になりますけどね・・
でも、そういうことなんです。子供よりも自分を優先した地点で親は親でなくなっちゃうんですよ、本当に・・。
そんな親子愛を認識しつつ、ピンチを切り抜けた先には・・という展開ですが・・。
まあ、北川みゆきの作品は、何があってもハッピーEDですからね~。私だったら、悲恋EDにしちゃうんでしょうが・・
でもまあ、これはこれでこの作者さんのオチということで・・。なんだかんだで悪くない作品でした♪やはり、主人公成長がないとね・・♪
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