SSブログ

少し懐かし系の少女漫画 [漫画]

Piece  全10巻
DSCN0965.JPG
銃数年近く前の作品で・・・
ここまで骨の据わった少女漫画は久しぶりかも・・・
と、思わされた作品。
物語は、高校を卒業した主人公水帆にかかってきた連絡、それはかつての同級生はるかの訃報。
地味で目立たない彼女だったが、妊娠していたという事実を知らされ・・・
しかも、母親にその相手を探して欲しいと頼まれる。
ただのクラスメイトで、特に中野良い相手ではなかった・・
なにより、高校時代に関わることは、否応にも過去に関わりを持ってしまった成海ともかかわりを持たなくてはならない。
そんな恐れを抱きながらも・・
という少女漫画ならではの、恋愛ミステリーという作風の作品で・・
これが又凄いのですよ・・。
物語の展開には、きらびやかなシーンは少なく、はっきりいってほのぐらいシーンが多い・・
なんせ、物語設定が設定でもあるし・・
何らかの家庭の事情や、友達に話せない秘密を持っている子が多いんですよ・・。
類は友を呼ぶ・・
とでもいうのでしょうか・・
冷め切った家庭環境の中、育てられた水帆と、異常な教育方針の元育てられた成海・・
与えられるべき時期に与えられなかった愛情ゆえに、何処か人付き合いに関しての距離の置き方が、正反対に見えて、何処か似ている所・・
相手と必要以上に距離を近づけない。
人懐っこいふりをしていて、その内面は誰にも触れさせない成海と・・
はるかは、クールビューティーといわれ男子にも女子にも何処かとっつきにくい雰囲気を纏いつつも、ただ単純に自分がわからず表現できないはるかと・・
彼女にとって、彼のような人間は不可思議で謎で・・
どんな人間か知れば知る程わけがわからなくなっていく・・
彼女のペースを狂わせ、彼女の心を乱していく。
くっついてきたかと思えば離れて・・
知ってはいけない秘密を知ってしまって・・
彼は彼女のことをどう思っているのか、自分が彼をどう思っているのかがわからなくなっていく・・。
るかの過去をしるために、彼女の過去を調べて・・
彼女の思いにふれて・・
そして、彼女を通して人を愛する思いや、そんな彼女との関わり合う人達に触れ、そんな自分の傍に気が付けば寄り添ってくれる存在がいて、今の自分に何があって、何がたりないのかを知っていく・・
そう・・・
まるで、昔の不器用な私を見ているよで・・(笑)
家庭環境も含めて、他人事に思えないんですよね。
自分表現に不器用な所、人との距離感が上手くつかめない所・・
他人にも自身にも鈍い所・・
そんな私も人との関わり合いによって、良くも悪くも変化していけて・・。
はるかの過去を調べる度に、色んな事実が上がってきて、結局彼女のお腹の中の子供の相手は誰だったのか・・
成海なのか、それとも他の男なのか・・
見え隠れする過去・・
離れる度に歩み寄っては近づいていく友達関係・・・
そして、そんな繰り返しの中、みつけた事実からピースを重ねていき、そこから明らかになる衝撃の真実にとうとう辿りつくことに・・
彼女の過去の言動、そして彼女に密に関わっていた人物の言動の真実・・。
そこにたどり着いた時の主人公は・・
そう、子供の頃は、感情の爆発や多少の(節度を守った)イタズラの一度や二度はしたっていい・・。
子供の頃に無茶しないで、いつ無茶が出来るというのだろう・・・
それを彼女達はようやく知った・・。
行き場のない感情、求め方の知らなった不器用な感情。
その腕が求めているものは何なのか・・
単純に誰かに触れたい、触れるためにあるものだということに気づくまで、本当に遠回りして、遠回りして・・
ようやく掴んだ道。
自分には何もなくて、誰かに何も与えることのない存在だったと思ったけれど違った・・。
彼女が動いて、それにつられて共に歩いてくれた人達も確かに存在して・・
過ちや失敗はあっても、きっと、それがあったからこそ、今の彼女達がいて・・。
何の関係もないと思っていた人達との新しい繋がりが出来て・・・。
嘘や誤解が沢山あっただろうけれど・・・
だからこそ作れた絆もあったというのも確か・・。
そして・・・
人の自信って、誰かに与えられるものじゃない・・
誰かに愛されて作るものじゃない・・・
自分から誰かを強く愛せた瞬間、人は強くなれるのだということ・・
だから、強くなりたいのならば、受け身じゃ駄目・・
自分から行動しなきゃ何も意味がない
嘘ついたのならば、素直に謝まればいい・・。
だって、ずっと一人きりで寂しい思いをしていたと思っていた我が子のことを、ちゃんと覚えていてくれた子供達がいてくれたこと・・
人が生きた証はそこにある・・・
人の心の記憶の中にある限り、その人は生き続けられる・・。
何時か忘れてしまうかもしれないけれど、それでもいい・・
なんだかんだで今ある思いが大事なわけで・・。
そう、人は誰かを求めて、誰かに求められて・・・
それは好きという明快なものばかりではなく、あいつが気になるとか、あいつのことが知りたいとか・・
愛情表現に疎い彼にとっては、それがギリギリの愛情表現。
同時に、愛情表現にも、与えられることにも不器用だった少女にとっては、それを都合よく解釈するくらいが丁度いい・
だって、いつもシビアに生きてききすぎた彼女だから・・・
たまには、普段誰にも迷惑かけないのならば、そんなご都合主義ば考えを持ってもいい・・。
たまには、自分に優しくなってもいい・・。
笑うことも、泣くことも、誰かを好きになる気持ちがどんなことかも、知らなかった彼女だから・・
そうして、彼女達はそれぞれの一歩を歩みだすことになる。
決して二人結ばれてハッピーエンドというわけではないけれど・・
人間、壊れたくないのならば、他人まかせでなく自分で人生選び続けられるように生きていけばいい。
自分で選んだ決断だからこそ、傷つくこともあるだろうけれど、自分で道を選んでいられれば、誰に何を言われようとも振り返る必要だってなくなるはずだから・・
て、そんな生き方出来るようになることこそが又、難しくもあるのでしょうけれど・・。
どうやっても、間違った道を進みそうになることもあったとしても・・
自分でちゃんと考え、選びさえすれば、軌道修正っていくらでもできそうですし・・。
選ぶのは自分
そして、その結果何がおころうとも自身で責任をとって生きていく・・。
それが、自分らしく生きる・・
て、ことなんじゃないでしょうか・・。
な~んてことを色々思わされた作品でした。
最後は恋愛というよりは、自立心や家族、友情の絆・・・
そして人生・・・
そんな感じの終わり方で・・
私は、凄く大満足です。
だって、人生生きていくなかで、何もかも全て綺麗に解決なんていかない・・
上手くいくことと、いかないこと・・・
その両方を持ちながら、自分の道を歩む・・・
それが人生ってものかと思います、
何もかも綺麗に消化しなきゃ満足できない~て思える人は、まだまだ人生これから学ぶことが沢山なのでは~
なんてことも思いつつ・・。
良い作品に出会えて感謝感激です♪
華やかさはないけれど、地味にリアルな面白さがある・・
そんな作風ですね・・・♪
タグ:少女漫画
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。