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緋桜白拍子 全12巻 藤丞めぐる [漫画]

緋桜白拍子、全12巻。
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20年近く前に連載されていた作品。
そう、私の好きな和を舞台とした作品で、少女マンガ版、必殺仕事人
とでもいう作品でしょうか。
ただし、作者様の言うとおり、当時の時代設定等においては、キャラクターと物語を重視し、動かしやすくしたため、あくまでパラレルワールド~
的な雰囲気、同じ和風作品でも、あさきゆめみし~のようなリアルな作品ではなく、なんて素敵にジャパネクス~
な雰囲気に、どちらかといえば近い作品のように思います。
なので、あくまで時代設定において~の突っ込みをスルーしつつ・・
主人公の置かれた状況、家族、恋愛、そして彼女が背負うべき責務・・・
そして、そのために恋人を裏切り、血にその手を汚しながらも戦う、美しくも凛々しい白拍子の姿と過去の生い立ちをおっていく・
そういった所を重点的に楽しんじゃお~的な作品です。
だからといって、内容が薄いわけではなくパラレルであるが故の物語にひきこまれていく・
そんな雰囲気の作品です。
因みに内容は・・
左大臣の暴政をうちやぶるべき、今宵も白拍子が舞い降りる
何処の誰ともしれない、薄汚いなりで捨てられていた少女の命を救ってくれた人への恩義のため、その手を血に汚す少女・
そして、そんな自分の正体を知りつつも、彼女をおいかけてくる、恋人である朝廷の役人との複雑な恋心~な、平安ロマンス
と、いった内容です。
そう、追われるべきものが追うべきものと恋に落ちてしまう。
穏やかで幸せな日々・・
でも、心のどこかで彼を裏切っていることに心痛む時もありつつ・・
けれど、そんな幸せな人ひと時の中にも危機的状況が・・
最初は、その言葉を信じてなどいなかった・・
信じていなかったはずなのに・・
自分の立場が危ういにもかかわらず、白拍子を守ろうとする役人である彼を愛する梓。
けれど、自身を幼女として受け入れ命を救ってくれた大納言家の存在の方が、当時の梓にとっては最優先事項。
女としての身を汚し、恋人である存在すらも裏切ってまで守ろうとする凛々しい姿が、あまっちょろい姫君ではないんだな・・
なんて感じさせてくれる冒頭の物語が、なかなかに心くすぐられるものです♪
けれど、そんな自分の思いを知らずに変わらず愛してくれる恋人・・
梓を守るためにかなう筈もない相手に刃を向け、ボロボロになる姿・・
そして、大切な人が傷つき苦しむのは自分も一緒だ・・
そういってみせる彼の言葉に、自分の命を顧みず戦い続けていた梓の心が変化していく。
愛する人を守るため、悲しませないためにも、自分の命は大切にしなきゃいけないのだ・・と・・・。
そうして、甘いひと時をすごしながら・・
二人の仲を静かに認め見守ってくれている存在を加味していく二人。
勿論、そんな二人の間には、いろいろな障害があり・・
白拍子と梓を同一人物だと疑いにかかってくるものや・・
彼女に殺しの技術を教え込んだ師匠とされる人物の登場に、因縁の戦いと決着・・
それをよしと思わない存在の因果に・・
と、色々な試練が二人を待ち構えます。
勿論、そういった因果は二人だけではなく、父を失った悲しみに復習を誓う美しき白拍子に、切ない恋の泡・・。
愛するものの手を血に染めたくない・・
どんなに復習しても失ったものはか帰ってこない現実・・。
そして・・
素直になれなかったがゆえ、戦にて引き裂かれてしまった恋の話・・と・・
色々感じさせてくれる物語が沢山・・
勿論、梓と二人のなれそめの話もあって・・・♪
そして、やはり時代物・・というだけあって、お決まりなのが・・・
許されぬ身分違いの恋・・・♪
それは、ヒロイン梓に関係する人間の間の出来事だったり、サブキャラ達によるものだったり・・
この時代に生きる女達は、色んな覚悟を抱いて生きているものです。
お家のための政略結婚・・
女はお出世のための道具・・・
それを受け止めるものもいれば、できずにいる人もいるわけで・・
本当、今の時代は自由恋愛だな~
と、心底思います。
後、家族に身売りされる~なんてこともなく・・
その代わりに親の子供への虐待や、勘違いの教育指導による暴力とかがあるわけで・・
未だに、子供は親の物扱い~というのが、法律にも存在しており、それ故に親の手によって奪われる哀れな子供たちの命が救えないのが悲しいことこの上ないですね・・。
かといって、ほっぺたひとつぶつだけで虐待として逮捕されては、子供の教育としても難しい・・。
犯罪犯した子供や、何度いってきかせても駄目だったり、命にかかわるようなことを平気でしてみせるような子供相手に言葉だけで通じさせるというのも難しい・・。
両極端すぎなのも駄目なんですよね~
本当、日本の法律って、何でこんなに頭固いんだろうね?
なんて思いつつ・・・。
梓の家族の話なども出てきて・・
家族のあり方や形って本当にさまざまだし、それで良いと思うし・・。
本当の親と義親・・
どちらの親もいてくれたからこそ、今の自分があるということ・
そんな話の後には・・
決着をつけたはずの人物が再び・・・
今度は彼女一人ではなく、彼女の愛する恋人、そして、愛する家族の命を逆手にとられて~~
という展開に・・
一難さって、又一難~
そう、物語はつきることがありません。
話が進むほどに起きる事件は少しづつ規模の大きなものへと・・
確信へと近づいていき・・・。
新たな登場人物が続々と登場しています。
裏切られたり、助けられたりしながら・・
心にも体にも傷をおいながらも、家族、恋人、仲間との絆を深めていた先には・・
敵ってのは、目の前に見えるものだけではなく、心の敵というものもあって・
そういうのを、一人づつ乗りこていくのです
そうして、最後の最後に、彼女の過去との因縁との決着、そして彼女が恩を感じている義父の目的も達成されたとき・・
彼女の戦いの日は終わりをつげます。
もう、二度とその手を血に汚さず、今度こそ平和な時代を生き抜くと心に誓い・・。
そして、行く年の平和な日常を繰り返し、彼女も母親となり・・
その子供が出会い、作りし新たな物語が・・
という雰囲気~
こういその後~
を、なんとなく匂わせる・・・
読者の感性を、ゆり動かしてくれるのって、昔ながら~の作りがいいんですよね。
そう、一つの物語は終わっても、人生はそれで終わりじゃない・・。
親から子へ、命は受けつがれ新しい物語は作り続けられていくんです・・・♪
にて、完です!
やはり、この年齢になって読み返しても面白いと、思える作品って、本当の神作品だな~と思います
まあ、時代設定に対して拘りや、リアリティをあまり持たず・・
チャンバラとか見るつもりで、キャラクター達の生き様をメインに楽しまれるのがお勧めです
戦いに身をおきながらも、人となりの幸せを求め、家族、恋人を守るために過去を背負いながらも今を必死に生きる少女の物語~
そんな雰囲気を味わい方に、是非お勧めです!
タグ:少女漫画
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